絶対防御研究所 Log-1

どこかの宇宙の太陽系に似た恒星系、サウン系の第4惑星、惑星フォニム
ここには種族を問わず色々な生物が共通の言葉を使い、豊かな資源を大事に使い、暮らしていた

しかし、ところどころ枯渇している地域もあり、資源の奪い合いも起こっていた
このお話の舞台は、そんな紛争地域に無傷でたたずむ、空へ伸びる一本の大型軌道エレベーターが目印の建物でのお話



絶対防御研究所、殆ど観光客か義手、義足などのメンテナンスを依頼する人物以外現れないこの施設に、見慣れないドリルのような赤い髪をした少女が現れる

「なんだ、ずいぶん普通の研究所じゃないか、警備もいないし、無防備すぎやしない?」

と、ドリルのような赤い髪を持つ少女は近くに居た赤い服を着た犬に言った

「警戒されて無いなら行こうぜ、遅刻魔な俺が珍しく遅刻せずここに来たしな」

うん、と相槌を打って、それを合図とし絶対防御研究所に向かって走り出す

「僕は空から、ルークは下から攻めてみて」 と赤い髪の少女が言う

ルークは黙ったままさらに走る速度を上げる

赤い髪の少女は背中から翼と思わしきモノを飛び出させ、一気に空に飛び上がった

一方、ルークも敷地内に入り込んだ、まずまずの出だしである

「テト姐、空からはどう?」

ルークからテトに通信機かなにかで声が掛かる

「あぁ、僕のほうは大丈夫、今のところなにm・・・うわっ!?」

突如テトの身体を何かが押さえつけ、地面のほうへと押し付けてくる

「な・・・なに!?離せ!離せったら!」

突然の出来事に困惑したテトはその押し付けられてる何かを必死にこぶしで殴る、が生き物の柔らかさの中になにか硬いものを感じた

「こいつ・・・ロボット!?」

テトがそういうと不意に

「あら?ビックリした?領空侵犯で取り押さえさせてもらうよー!」

テトと同じく赤い髪を持つ黄色い服を着た少女が言った、どうやら太陽に隠れてジェットで飛び込んできたらしい

「テト姐!テト姐!大丈夫!?」

ルークが通信機の向こう側で大声を張り上げている

「ばっ!そんな大きな声だしたら!」

テトが言うより先に、銀髪の黄色い服を着た男がルークを取り押さえた

「テトねえ・・・ぐおっ!?なんだ!?」

取り押さえられたルークが驚いた声を上げる

「不法侵入で取り押さえさせてもらおうか、ルークとやら」


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「で、いったいなんでこの研究所に忍び込もうとした?」

両手の袖にに液晶が付いた白衣を着た研究者がテト達に問う、テトたちは磔の状態だ

「だーかーらー、僕とルークの興味だけでここに来たんだってば!」

テトが言い飽きた、そういう顔で研究者に向かって言う

「俺の技術を狙うやつは多い、そういう事を言う連中に限って軍の差し金だったりするんでな」

研究者はそうテトに呟くと、ゲートをメタルで閉じた、と同時にテト達の拘束を解いた

「った!・・・もー、なんであの研究者は僕たちの言う事を信じてくれないんだよー」

拘束を解除されたテトとルークが床に落ちる、ベシャッとちょっと痛い音が響いた

「ててて・・・仕方ないじゃんテト姐、見学申請を入れずに入ろうとした俺たちが悪いし、軍人がここの技術を狙ってるのは明白だしさ」

ルークが仕方なさげにいう、その時、メタルで閉じられたはずのゲートが開き、赤い髪で黄色い服を来た少女がやってきた

「あなた達が技術目当てじゃないのは彼もわかってるの、でもすんなり帰すわけには行かないってだけだから大丈夫、
乱暴したりするわけじゃないから安心してね、私は救音ミコト、一応さっきは加減したつもりだけど、全然平気そうね、えーっと・・・テトさん?」

ミコトと名乗った少女がテトに向かって言う

「ふーん・・・ところでその身体、ロボットよね?でもなんか雰囲気は人間だよね、何で?」

テトがミコトに対して疑問をぶつける

「あー、私は元々人間だったんだけど、事故で身体が使い物にならなくなっちゃって、修復は出来たんだけど魂が戻れなくなっちゃって、
今はこのロボットの身体を借りているわ、結構便利よ?この身体、丈夫だし」

あちこちミコトが自分の身体をヴーンと言わせて見せる


1日たって、テトたちはやっと帰れる事になった、ついでにあの研究者も名乗ったようで「ホムラ」と言うそうだ

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